~映画 残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋の感想~
こんばんは^^
映画では、ホラーとアクションを好んで見ますが
本日は、日本のホラー映画【残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋】を鑑賞しました。
見終わったのは午前3時すぎ…笑
ネタばれ含まれますので、ご注意ください。
嫌な人は見ちゃや~よ★←
日本のホラーは、海外のようにびっくり!とかグロテスク…というより
おどろおどろしいような、こう…じめ~っとした後味や余韻のあるホラーが多いし特徴的でそこがまたいいところなんですが、この【残穢】は久しぶりにやばかったです。
ホラー見すぎて鈍るというか、ちょっとやそっとじゃ怖く感じなくなった私でも久しぶりに怖かったです。
もちろん、見てる時も視覚的にも聴覚的にも怖いんですが…日本のホラーは見ている人たちにいろんな面から想像させるじゃないですか、それがこの映画ではものすごいわけです。
リアルだし音やセリフ、状況説明からまさにそこに一緒にいるような感じなわけです。
イヤホンで聞くと臨場感倍増なわけです。
ぜひ、お部屋を暗くしてみること推薦です(ホラー好きさんにはね!)
抽象的なのはここまでにして、作品についてなんですが
ご存知な方も多いと思いますがいちよう^^
主人公の竹内結子さん演じる【私】は小説家の女性です。
半年前から怪談雑誌に連載を持ち、読者から募集した奇妙な体験談をもとに短編を発表しています。
懐疑的な思考を有していて心霊現象には否定的です。
(ホラー書いててもそういう方ってやっぱりいるんですねー)
このなんともけだるげな感じ?がいい雰囲気をだしています。
続いて
橋本愛さん演じる【久保さん】
都内の大学で建築デザインを学ぶ女子大生さん
(ちなみに、原作では大学生ではなく30代の女性です。下の名前は亜紗美という)
ミステリー研究会の部長を務め、郊外の街にある築10年の5階建ての賃貸マンション【岡谷マンションの】【202号室】に住んでいます。
「自分の部屋の和室で箒を擦る音がする」と怪談雑誌の連載を持つ「私」に手紙を投稿し、それが今回の映画のメインテーマになるわけです。
一番、普通な感性?を持っていて反応も女子!って感じでした。
でも、実際いたら勇気ある子だと思う。
佐々木蔵之介さん演じる【平岡芳明】
主人公の同業者で、私が編集者と打ち合わせをしているときに「赤ん坊が床から湧いて出る」というエピソードに耳を留め、調査に同行する。
様々な情報を私に持ってきてくれるキーパーソン。
お調子者っぽい明るい雰囲気で、怪談系統の話にはテンション上がってます。
坂口健太郎演じる【三澤徹夫】
平岡の紹介で出会う福岡出身の心霊マニア
興味本位とやさしさ?からか現場調査に同行。
普通の男性ですが、現場に行くときや怪談話になるとすごい輝いています。
ほかにも、有名な方が出ていますがそこは割愛させていただきます。
映画の始まりはMさんが九州で子供のころ没落した炭鉱の土地を買って建てられた親戚の家に泊まった時に体験をした事を投稿した【河童のミイラ】から始まる。
親戚の家に泊まった時のこと
夜トイレに目が覚めてトイレに行った帰り、どこからともなく地鳴りのような風音が聞こえてきた
そしてそれは、普段母から決して入るなと言われている部屋から聞こえてくる。
気になった少年は、中をのぞいてしまう…
すると、中には仏壇がありその両端にふすまのような戸があり、そこが開いていた。
風音は次第にうなり声のような雄たけびのような音にかわり、少年は恐怖心と好奇心からのぞき続けてしまう
次第に、暗闇に目が慣れ中の様子がはっきりと見え始める、すると仏壇の両端の奥から黒い何かが動いていることに気が付く
すると、壁の上にある窓のようなところからはいる月明かりに照らされその黒い何かはヒト型をしており這いつくばってこちらに来ているではないか…
恐怖心から動けずにいると、自分の足元のそばの月明かりに照らされた場所に腕が出てきて驚き、飛び退いてそのまま逃げだしたという。
そして、その腕は焼け焦げていたそうだ…
これだけでも結構怖い方は怖いと思います。
その後も話はもう一転も二転も三転もするわけです。
植物の根のように分かれていき深くなり広がっていくわけです。
久保さんが投稿し、それを私が調査し、編集者に話し、聞いていた平岡が興味を持ち参加そして情報提供する、平岡の紹介で三澤も情報提供し参加する。
そのなかで、最初の久保さんの投稿を調べていくことで深く深く広く広くなっていく…
過去の投稿につながり
都内で起きた怪現象の震源が遠く九州にあるなんて、だれが予想できたでしょうか。
この映画では、ポイントいわば重要な言葉が出てくるんですが、一番のポイントは【穢れ】それに付随する【触穢(そくえ・しょくえ)】です。
久保さんが体験した心霊現象の震源を調べていくと、まず箒の擦れる音がその後の体験で着物の帯の擦れる音だと判明する。
そしてその音は、体をその部屋に向けているときはしないのだと言う。
久保自身もそれとなく近隣の主婦などに聞き込みをしていく、するとこのマンション自体入居者が長く留まることがないことが判明する。
そして、そのころ久保の隣の部屋に飯田家という子連れの3人家族が引っ越してくる。
久保が帰宅してきたときにちょうど引越しをしており、その場であいさつをした後すぐ夫の章一にこんな質問をされる「相場より少し家賃が低いんだけど、なんかいわくつきとかじゃないですかね?」と
久保はつい先日不動産屋にいわくつき物件かを不動産屋に聞いており、その際そのようなことはないと言われていたため、章一の質問に対し「私も気になって不動産に聞きましたけど、そういったことはないみたいですよ。」と返答する。
その後、私が調査を進めていくと同じマンションの401に住んでいた主婦から過去に投稿されていたことを思い出す。
そこには、娘が和室の天井を見つめており聞いてみると指をさしながら「ブランコ」というのだという。
その後、娘が自分のぬいぐるみの首に紐を括り付けぶらぶらと揺らしながらまたも「ブランコ」と言っていたのだとか。
まさしく【人が首を吊った状態】だ。
そして、久保が私にある疑問・発見を伝える
それは、「このマンションではなく土地に震源があるのではないだろうか」ということだった。
そうすれば、この複数の心霊現象に合点がいく。
マンションの特定された一室ではなく複数の部屋で起きている、それはこの土地に問題があるということを発見した二人は、それをもとに付近のお宅や元町内会長などマンションが建つ前のことを知っていそうな人に聞き込みをしていく。
すると、マンションが建つ以前には駐車場がありその以前には小井戸家という一軒家と広い空き地があったことを知る。
元町内会長さんが現役のころ、小井戸家には一人の老人が住んでいた。
名前は小井戸泰志
付近では有名なごみ屋敷の住人で、会長は常に気にかけて話しかけたり、どうしてこんなにごみを置くのかと聞いたりしていた。
すると、泰志は「隙間が嫌だ」という。
その後、会長がまた小井戸家を訪ねると中でうめき声が聞こえ、気になって入っていくとごみの中の布団で死んでいた。
話を聞いた後、久保は私に「隙間があると音が聞こえるからではないだろうか?」という。
その音が嫌で、埋め尽くしていたんではないかと…
そしてその後も調査は続き、今度は小井戸家の付近の空き地にあった松坂家・藤原家・根本家という家
を調べる。
すると、根本家ではそこに住むおばあちゃんがぼけてしまい縁側にうつぶせで寝転がりずっと縁側の下を聞いているという。
縁側の下に猫がいるのだとか言い、食べ物を投げ入れたりするんだとか…
藤原家では、そこに人がいつかないと言い数人がそこに越してきてはまた引っ越していくという。
そして、藤原家があったところに住んでいた川原家の長男が母親を階段から突き落としたり布団に火をつけたりいたずら電話で117(時報)に電話したりと問題行動をしていたとか
実は、この調査の前に久保は隣人の飯田の妻からこんなことを聞かれていた。
「ここって、放火や空き巣とかありましたか?夜、変な電話がかかってくるんです公衆電話からなんですけど今何時ですかとか一人ですかとか…」と
まさか、川原家の長男の霊か!?と思ってしまいますよね^^;
元町内会長から話を聞いた後、久保は帰宅する。
そして家の鍵を出し開けようとしたとき、ふと風が吹く…なにか気になり隣を見ると空き部屋になっている。
越してきたばかりの飯田家がいなくなっていたのだ。
その後も調査は続き、次は地元で古くから写真店を営む田之倉という男性に聞きに行く。
田之倉からは、小井戸家・松坂家・藤原家のあった土地の以前のこときくことができた。
以前は、藤原家の敷地も根本家が所有しており小井戸家と松坂家の土地は以前は高野家が所有していた土地だったことが判明する。
そして、この二つの家の一つである【高野家】でことが起きる。
それは田之倉さんが若いころのことだ、父親の手伝いで高野家の結婚の親族写真をとった日のこと
新婦側だった高野家は、披露宴など娘の結婚式が終わった後に夫婦で帰宅。
もうあたりは暗くなった夜のことだ
妻・トシヱは自宅の部屋に入るとなかなか戻ってこなかった。
夫はそれを心配し、部屋に見に行くとトシヱが式に来ていったままの和服で首をつって死んでいるのを発見する。
自殺の原因は、嫁にだした娘の不貞(過去に孕んだがおろした事)を恥じ罪悪感からの自殺とされている。
周り(近所の人)などは、ほかにもトシヱの様子が娘の礼子がお勤めから戻りおかしくなったという、ある日道端で赤子の鳴き声が聞こえると言い聞こえないと言うと激昂したのだという。
ほかにも、トシヱは「赤子が家の床から湧いてきて泣くんだ」とも言っていたそうだ。
その後、久保の家に私は行き久保から前に住んでいた梶川のことを聞く
梶川は、久保と同じ部屋に住んでおり赤ん坊の泣き声を聞いていたそうだ。
そして、その後引越したが引越し先で首をつって死んでいたという。
その後、いつもの喫茶店で編集者と話しているときに赤ん坊が湧いてくる話をしているとその話に興味を持った平岡が登場する。
その後、久保は引越しをしつかの間の休息・解放
だが、そのしばらく後音はついてきたのだ。
この後も、最初のほうで書いたが平岡の紹介で三澤が加わり北九州まで行くこととなる。
映画の最初に出た河童のミイラであるMさんの知り合いに会い例の家に行くこととなるのだ。
そしてそこが震源だったのだ。
作中にもありましたが、「聞いても祟られる」「話しても祟られる」わけです。
「穢れ」が伝染していくという触穢の恐怖。
遠く離れた北九州の穢れが土地に移り穢れ
その後もそこに住む人に伝染し続け死に追いやり
嫁に出た人間から新しい土地・人に伝染し
時代・土地ともに遠く離れた現代の都心で今もなお人を死に追いやる穢れ
穢れが穢れを産む…本当の恐怖は実は身近に起きているのかもしれないですね。
映画の中だけ…本の中だけなんて保証はどこにもないですもんね…
ここに書いていない物語がまだまだ映画の中には濃厚にじっとりと演出されています。
飯田家のその後やとある座敷牢のことや炭鉱での火災事故など
ぜひ、ご自身の目でご覧になって全身で体感してみてください^^
原作者:小野不由美
監督:中村義洋