邦画 おろち
こんばんは^^
今回も深夜2時過ぎに映画鑑賞タイムでした。笑
前回に引き続き邦画ホラーです。
ネタバレがありますので、閲覧注意です。
今回鑑賞したホラーは、2008年に放映された作品です。
原作は、楳図かずおさんの漫画です。
漫画の中では、9つのストーリーがあるのですが、映画ではその中の【姉妹】と【血】を基に物語が作られています。
登場人物(主要人物のみです)は
主人公【おろち】と【佳子 -よしこ-】
谷村美月さん
【門前葵 -もんぜんあおい-】と【大人になった門前一草 -かずさ-】
木村佳乃さん
【大人になった門前理沙 -りさ-】
中越典子さん
【大西弘 -おおにしひろし-】
山本太郎さん
【執事であり祖母の主治医であった西条 -さいじょう-】
嶋田久作さん
たちが演じています。
物語は、不老不死で100年に一度永い眠りにつく主人公【おろち】が不老不死であるために他人の人生を傍観・観察することが趣味?生きる目的?になっていることで始まっていきます。
門前家に出会ったのは、嵐の日。
雨風を凌ぐために入った大きな屋敷が門前家です。
(魔力で門を開けて勝手に入っていきます)
そして、一晩過ごすだけのつもりが翌朝に幼い姉妹に出会います。
それが【門前一草】と【門前理沙】です。
おろちが屋敷のとある物置部屋のようなところに隠れていると、姉妹が遊びにやってきます。
遊んでいるところを見つめていたおろちが姉妹に見つかり、声を掛けられそうなところで姉妹が使用人に呼ばれ歌のレッスンに連れていかれます。
(ちなみに、歌のレッスンする場所はお家にあります…さすが豪邸ですね)
姉妹を見ていたおろちは、この姉妹の人生に興味を持ち見守りたいと思います。
歌のレッスンが始まってすぐに姉妹の母親であり銀幕のスター(女優)の【門前葵】が帰ってきます。
帰宅早々に、家にあるシアタールームに娘たちと連れてきた関係者とで自分の出る映画鑑賞をするのですが、あるシーンで葵は自分の顔に違和感を感じます。
そして、いきなり「止めて!」と叫ぶと撮影の撮り直しを指示して自室に籠ります。
気になったおろちは、葵の後を追い部屋の鍵を能力(魔力)で開け入っていきます。
そこには、鏡の前に座って額や体を気にしながらぶつぶつと言っている葵がいました。
葵がソファーに移動しおろちを見つけます。
その瞬間おろちは葵の額に触れ、自分は新しく来た使用人だと偽りの記憶を入れます。
記憶を入れられた葵は、自然と会話をするのですが…一言「上の部屋には入らないで」と言います。
不思議に思っていると、「詳しいことはほかの使用人に聞いてちょうだい」と言ってその会話は終わってしまいます。
(この時おろちは普通に興味津々な感じです。)
その後、姉妹のレッスン成果を葵が聞いて姉の一草を降板させたり
姉に対してきつくレッスンしたり、そのせいで姉が歌を歌わなくなったり
その代わりシアタールームで母・葵の映画を一草は何度もみてセリフあわせをしたりします。
ここで問題が起きます。
そう、シアタールームで母親の映画を見ていた一草が葵の顔の異変に気づいてしまうのです。
そのことで慌ててしまう葵。
おろちに絶対に入るなと言っていた上の部屋に葵は入っていきます。
そこにはかつて有名だった葵の母親が軟禁されていました。
外から様子をうかがうおろち、母親に自分にも門前家の呪われた病気が始まったことを告げ感情的に相談します。
門前家の呪われた病気とは、とても美しく生まれてくる代わりにある一定の年齢(20代後半)から醜く朽ち果てていくという病気です。
葵が話しかけ、まだ私のことがわかりますか?と母親に訪ねます。
そこで発作なのか、荒い息を吐きながら呻き体を苦しそうに動かします。
葵は母が心配になり、近づきますが母に突き飛ばされてしまいます。
そこで、つい気持ちが入り込んでしまったおろちは足元にあった食器に触れてしまい音を立てばれてしまいます。
その物音に気付いた葵は「誰!?ここには来てはいけないと言ったでしょ!!」と叫びます。
そして、おろちに違和感を感じた葵はなにか言おうとするのですが、またしても能力で葵に何かします。
そして去っていくおろち、なにか泣き叫びながら崩れる葵…
おろちは去り際、玄関口の広間(エントランスホール)に飾られている聖母の絵に魔力でなにやら細工をします。
その後、つかず離れず様子を見守ります。
ある日、おろちが街にいるとき号外が配られます。
足元に飛んできた号外を見ると葵が29歳の若さで引退することが書かれていました。
気になったおろちは、魔力で細工をした聖母の絵の目を借ります。
遠くから絵を通して門前家の様子を見ていたんです!
すると、酒に溺れふらふらと叫び怒鳴りながら階段を下りてくる葵の姿が…
なにやら、車を呼び自分で運転してどこかへ行く様子。
酒に酔っているのに運転しようとしているのを見て、心配になったおろちは葵を探します。
すると、狭い道をふらふらと運転している葵が…カーブで意識を失う葵
魔力で助手席に瞬間移動するおろち
間一髪で助かりますがおろちは腕に深い傷をおいます。
おろちが気絶している葵の様子を見ると額にボコボコと醜い腫瘍ができていました。
白い手袋をはめていたのでそれをとってみると、そこにも同じ腫瘍が
そうしているとき、遠くから車の音が聞こえその場を離れるおろち。
執事の西条が使用人たちを連れ迎えに来たのです。
慌てる使用人たちは、病院に連れて行こうと言うのですが
それを阻止し屋敷に連れて行くという西条…葵の母親であり姉妹の祖母の主治医をしていたからか病気のことを知っているため病院など大衆の目につく場所は避けようとしています。
その様子を遠くの陰から見守るおろち、そんなおろちに眠気が襲います。
100年に1度の長い眠りが来たのです。
それに戸惑うおろち、眠りには10年早いからです。
原因はけがによる出血。多くの血を一度に失ったためにおきたみたいです。
この場で寝ては死体として処理されてしまうと慌てるおろち、そばにあった大きな石で手を打ち付けて眠気を飛ばそうとするもなかなか眠気は覚めません。
ふらふらと山の中を移動していると、突然暗闇の中に落ちてしまいそこで意識が途絶えてしまいます。
すぐ、何かに起こされるおろち…ですが、呼んでいる名前が違います。
女性が「佳子!いつまで寝てるんだい!」と怒鳴りながら起こしてきます。
一瞬わけのわからないおろちですが、すぐ佳子という名の人間の心に入っているのだとわかります。
鏡を見ると自分そっくりの顔。またちょっと驚くおろち。
(結構人間臭いですよね、おろちさん)
そばには、40代ほどの女性と男性が…そして自分も準備しなさいとたたかれる佳子。
女性の話を聞いていてわかったことは、自分は佳子という名前で3人で親子流しをしていること・実子ではなく拾われたこと・おろちとして意識を失ってから20年という時が流れたということ…
内心(というか心の中にしかおろちはいまいないのですが・・・)驚き慌てるおろち
門前家はあの後どうなったのか、葵はどうしているのか、姉妹は!?とパニック
そうこうしているうちに、佳子は準備を終え親子流しのため飲み屋街へ向かいます。
そこで入った飲み屋のテレビに映っていたのです。門前葵が。
びっくりしてぼそりと門前葵の名をささやくと、そばにいた男性客が「よくそんな昔の人知っているね~でも、この子は葵の娘の門前一草ちゃんだよ~気味が悪いくらい母親そっくりだよね~」と教えてくれた。
20年という時を経て、一草は母親と瓜二つになり女優として活躍していたのです。
その後、女性に怒られながら帰宅する佳子。
家につきしばらくすると、サングラスをかけストールを被った若い女性が佳子を使用人にするために迎えにやってきます。
その人は300万夫婦に渡すと佳子を連れていきます。
車に乗ると、その女性は今から向かうのは門前家という家で貴女には使用人として働いてもらうこと、私は門前理沙だと名乗りました。
内心またまたびっくりなおろち。
そして、門前家に着くと一草の部屋に案内される佳子。
またも言われます「上の部屋には絶対に入るな」と、そして紹介が済み理沙の部屋に通され説明を受け、自分の部屋をどこにするか決め制服も渡されるんるんな佳子。
ですが、そんなるんるんは長くは続きませんでした。
翌朝、ベランダで踊る佳子をそばで男性が見ています。
一草の彼氏の大西弘です。
その男は、佳子に「門前葵を知っているか?この家にいるか?いたらこっそり俺だけに教えてくれ」と言い名刺を渡し去っていきます。
そして問題が発生します。
またも大西がやってきて、理沙に女優にしてやると言い寄ります。
そして、理沙とも恋仲(二股)になり男女の仲になってしまいます。
大西が理沙の部屋から出ると一草に会います。気まずそうな大西をよそに一草は理沙の部屋に向かいます。そこには乱れた服と髪をしてストッキングをはいている理沙の姿が…
出てきた一草に大西は撮影の準備に行くぞと告げる。だが、あんな作品には出ないわ!とつっぱねる一草。そんな一草の髪を鷲掴みにして連れていく大西を玄関広間から箒を抱えて不安そうに見守る佳子。
それを上から冷たく見下ろす理沙…
これだけならまだよくある問題ですよね…ですがこれだけでは終わらない。
大西と一草が出て行ったあと、母親である葵の様子を見に来た理沙。
発作を起こす母をなだめていると、母の葵は理沙にあることを告げます。
そしてそのまま息を引き取ってしまいます。
驚く理沙…心配で様子を見に来た佳子は葵の姿をろうそくで照らし見てしまいます。
(ここが一番ホラーかもしれないです。笑)
腰を抜かす佳子に理沙が「この人が自分の母である門前葵だ」と言います。
その後、酔った一草が大西に車で送られて帰ってきます。
泊まっていってとぐずる一草…屋敷から人影が…大西が理沙だと気づくと一草も気が付きます。
そして、一草は理沙に見せつけるように大西に濃厚なキスを見せつけます。
戸惑う大西も次第に夢中に・・・
そんな二人を冷静に見つめる理沙は、二人に母が死んだことを告げます。
死を知らされた一草は家に入りたくないと駄々をこねます。
でも、理沙に怒られしぶしぶ帰宅。
家に入るとすぐそこの玄関広間には一つの棺桶が…大西に理沙はこの人が門前葵だと告げます。
棺桶の中に入った母親である葵の顔を見て一草は驚き恐怖し嘆きます。
大西も驚愕します。
そこで、理沙は母に告げられたことをみんなの前で告白するのです。
自分は実子ではなく、一草だけがこの血を受け継ぐことを…
それはもう荒れに荒れる一草。
その日から毎日毎日理沙に当たり散らす日々
それをみる佳子は、理沙を庇うが理沙に関係ないからと拒絶されます。
荒れ狂った光景を見ていた佳子は恐怖から次第に関わらなくなっていきます。
部屋の中で叫び暴れる姉妹、壊れた装飾品やらを黙々と片付ける佳子
そんなある日、佳子は理沙から「一草の世話に疲れた…一草があなたを呼んでいる、上の部屋で待っているわ任せたわね」と言われます。
恐る恐る向かう佳子、階段を上ると部屋の前に一草が
そしていきなり佳子を突き飛ばしました。
階段を転がり落ち、2階の手すりを突き破り1階の玄関広間に落ちた佳子…
なんと、姉妹と執事の西条が結託し佳子を殺害したのです。
理由は、20年前事故にあった母を西条が診察していると腫瘍がしばらくなくなっていて進行がとまっていたのだという、そしてそこには何かの血液が触れていたという。
葵は怪我をしていなかったため、他人の血であることが明白であった。
ということは、同じ血液型の人間と血を入れ替えれば進行しないのではないかと考えた西条は、大人になった姉妹にその可能性を伝えます。
一草は話にのってこなかったが、理沙はやる気満々。そうして見つけられたのが一草と同じ血液型だというの佳子だった。
佳子が殺され、意識が自分自身に戻るおろち…夢か現実化と焦りまた絵の目を借ります。
そしてそこには、さっき見た光景が…
夢ではなかったと知ったおろちは急いで門前家に向かいます。
おろちが向かっているころ、血液の入れ替え準備をする三人。
そして、入れ替えを始めてすぐに、またもや問題が起きるのです。
入れ替えられている一草がけいれんを始め嘔吐してしまうのです。
西条はすぐに血液型が一緒ではないことに気が付き中止します。
悲しむ理沙に対し一草は自暴自棄になりそばにあった火箸を顔につけ焼き付けます。
それを理沙がなだめて落ち着かせ、西条が手当てをして休ませているときに大西がやってきて理沙を呼びます。
理沙は、今日はかえってと叫びます。
ですがKY大西、でっかい声で理沙にこんなところから逃げて女優になろうとか言っちゃいます。
それを聞いた一草は激昂。ボウガンで西条を殺し、大西と理沙にも向けます。
ビビった大西は理沙を盾にして逃走。へたり込む理沙にボウガンを向け続ける一草
そこにおろちが到着します。
佳子の霊かと恐怖した一草はボウガンを自分に向けるのですがそれを魔力で壊し阻止するおろち、びびる姉妹をしり目に佳子の遺体のもとへ向かいます。
額に手を当てると佳子の感情が入ってきました。
自分はあのつらい世界から逃げるために理沙さんに血液型について嘘をついたこと
こんなことになるなんて思っていなかったこと
それを知ると、おろちはまた去っていきます。
もう二度とかかわることはないのです。
ここでラストか…と思う演出ですが、まだまだ終わりません。
後日談があります。
仲良く暮らす姉妹。
シアタールームで一草が母親の映画を見ていると理沙がやってきます。
そして、嬉々として一草に告げるのです。
「始まったの!」と…
そう、本当は一草が養子で理沙が実子だったのです。
死に際に母は、一草は醜い血を継いでいないから可愛がったことや厳しく教え込んだことを理沙に告白していたのです。
それを聞いた理沙は、嫉妬や恐怖・不安や怒りから一草をだましていたのです。
狂ったように笑う理沙…真実を知った一草はシアタールームから出ると玄関広間の階段で祖母と母の絵を見て思い出がよみがえります。そして、階段に背を向けた状態で落下し自殺。
その館には、狂って死んだ女性と醜く変わり果てた女の姿だけが残った…
というラストでした。
いやー…なんと後味の悪い。
ジャンルはホラーだけど、ちがうよね?ホラーはホラーでも。
【人間の心に巣食う闇】それが今回の映画のホラーな部分でしたね。
醜い姿もほんの少ししか見えないし…なんだか物足りないような感じでした。
でも、キャストの皆さんは豪華そのもの!
とてもよかったです。
ホラーとしてではなく見たらよかったのかもしれないですね^^
物語が昭和の設定もあり、昭和な雰囲気・建物・景色はとてもリアルでした。
これはこれで、物足りないながらも面白かったのでしばらくしたらまた見たくなりそうな感じですね。
でも、キスシーンはなんだかねっとりすぎて私にはちょっと^^;って感じでした。
まぁ、日本のそういうシーンは海外と違ってどれもねっとりなんですけどね^^;
原作者:楳図かずお
監督:鶴田法男